天使の欲望(1979年)

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天使の欲望(1979年)

この作品は中野貴雄監督のベスト・オブ・キャットファイト11の中で記念すべき第一位に輝いている作品です。でもあまりネットで情報を入手できないことから、少しでも知りたいと願っておられる方もいらっしゃるのではと思います。そんなわけで、名前だけ知っているけどどんな作品か知りたいと気になってしまっている方の為に”天使の欲望”について詳しくご紹介していきたいと思います。


まずは簡単に背景を説明します。本作で壮絶な闘いを繰り広げるのは結城しのぶさん演じる松沢涼子有明祥子さん演じる松沢久美です。役名の苗字が同じことからわかるようにこの二人は姉妹(涼子が姉で久美が妹)という設定です。この姉妹は父親が幼いころに蒸発した上、母親は若い男を連れ込むといった恵まれない家庭環境で育ちました。そして大人になった二人は共に看護婦になったのですが、姉は大病院に勤めて豪華なマンションに住み、妹はろくでもない医者がやっている産婦人科に見習い看護婦として住みこみで働くという、同じ家庭に育ちながらも大人になってから大きな格差ができてしまった、そんな姉妹関係になっております。


そんな姉妹なのですが知的なふるまいができる姉とは違い、妹の久美は少し空気が読めないというか、頭が悪いというか、言ってはいけないことや、やってはいけないことがわからないタイプです。姉の見合いに同席した際に、「一つだけ自慢していいことがあるんだ。、この間故郷(くに)に帰った時、姉さんが強姦されそうになった時に助けてあげたんだ」と得意げに言い放ち、場を凍り付かせ、涼子はそれに怒り思わずその場で久美を殴ってしまい、見合いも台無しになってしまいます。


その帰り道でもまだ怒りを抑えきれない涼子は久美を何発もビンタし「もうお前の事なんて知らない、消えちまいな」と言って立ち去ります。


そして久美はある出来事をきっかけに一人の男を好きになってしまいますが、男は女性に体を売る仕事をしていました。久美はお金を出してでも彼に抱かれたいと思い、姉の涼子にお金の相談に行きますが冷たく断られます。

姉の涼子は容姿とは裏腹にかなりの遊び人で、裏で男に抱かれまくるような女でした。それを知った久美はそんな涼子の男関係を、涼子の病院の婦長に伝え、それが原因で涼子は病院を追い出されてしまいます


その事で怒った涼子は久美が好きになった男を誘い、その男に抱かれているところをわざと久美に見せつける形で久美に報復します。そして涼子は抱かれ終わった後に久美に向かって「抱いてもらいたいんだろ」「ほら10万円、貸してやるからさ、あんたもやんな、これで処女とおさらばしな」と蔑む様に言い放ち久美にお金を投げつけます。それを見ていた男がそのお札を拾いながら久美に話した話(故郷の妻子の為に体を女に売っているということ)が全部嘘だということを叫びながら、ばらまかれたお金を拾い集めて、出てってしまいます。その後涼子は久美をドアの外に「出てけ」と叫びながら押し出し、「お前の顔なんて2度とみたくない」と叫びます。


ショックを受けた久美に追い打ちをかけるように、久美の目の前で男友達が暴走トラックに跳ねられて死んでしまいます。もう自分には何もないという気持ちは涼子への憎しみに変わり、久美はメスを握りしめて涼子のマンションにやってきます。


<キャットファイト本編>
出演者:結城しのぶ(松沢涼子) vs 有明祥子(松沢久美)

マンションで涼子はシャワーを浴びていました。ドアを開く音に気がついた涼子は「誰?」と声を掛けますが返事がありません。しかしすーと久美が部屋に入ってきて座り込みます。「何よ、何しに来たのさ」「返事くらいしなよ」と久美に怒り、またお風呂にもどります。すると久美がお風呂に入ってきて「姉ちゃん一緒に入っていい、小さい時よく一緒にはいったじゃない」と言いますが、涼子は「甘えんじゃないよ」と背中を向けてしまいます。かまわず服を脱ぎだす久美。全裸になったところで手を伸ばし右手にメスを握りこみ涼子がつかっている湯船に入っていきます。


涼子は久美の体を見て「へーきれいな体してんだねお前」と言うと、久美も「姉ちゃんだって肌つやつやして」と返します。「でもお前に比べたら少しくたびれてんじゃないのかな」と涼子が言うと「ううんとってもきれい」と久美が答えます。「そうかしらね」と言い、自らの体を見る涼子。その姿を見ていた久美の目に狂気が走り、殺意に満ちた顔に変わります。おそらく自分の好きになった男とやっているところを見せつけられた記憶が蘇ったのでしょうか。そして右手に持ったメスをしっかりと涼子の体に狙いを定めて一気に飛びかかります。一瞬何がおきたのか把握しきれない表情の涼子、「久美」とつぶやき、自分の体を見ると大量の血が噴き出しています。


何が起こったのか事態が呑み込めて叫び声を上げる涼子。パニックになりながら久美の攻撃を防ぎ、何とかこの場から逃げ出します。


しかしすぐさま追いかける久美。ドアのところにいた涼子に襲い掛かるもこれはかわされてしまいます。 涼子も逃げながらも花瓶を投げたり、ベッドに飛び込み枕を投げたりして抵抗します。そしてこの枕がうまく久美子を捕えて久美子の右手からメスが転がり落ちます。


床に転がったメスを同時に見る二人。久美子が這いながらまたメスを手に取ろうとするも、そうはさせじと涼子は久美の背中から組みつきます。ころがり組みつきお互いにメスが届かないようにしようとする二人。


ここで久美子が大声で「ここが悪いんだよ、ここだよ」と言って涼子のアソコを攻撃します(カメラは映してないですが場所的にそこしかないと思います)思わず悲鳴を上げる涼子。かなり痛がってます。


しかし一瞬の隙をつき、涼子は久美を突き飛ばし、落ちていたメスを拾い上げて構えます。間合いをとり見つめ合う二人。しっかりとメスを構える涼子。しかし涼子は最初の一撃でダメージを受けており、その傷の痛みに呻き声をあげてしまいます。


痛みをこらえつつ体制を整えて一気にメスを突き出す涼子。しかし久美もこの一撃はぎりぎりでかわします。そして組合いながら涼子の手を掴み何とか這うように逃げ出そうとします。


しかし涼子も逃がしません。後ろから追いつき背中越しに久美の腰のあたりメスを突き刺します。悲鳴を上げる久美。しかし涼子はかまわず2回目のメス刺し攻撃を成功させます。


そしてもう一撃を食らわすべく涼子は久美にメスを突き出しますが、久美はこの攻撃を止め、逆にメスを力ずくで涼子に向けて、そのまま突き刺し倒れこみます。その後涼子が上にのった久美を跳ね飛ばした結果、二人の手からメスは離れて床に落ちます。


激しく呼吸しながらお互いに睨み合う二人。ここで故郷の津軽の海や景色が映り、涼子が東京に旅立った日(?)のカットが入ります。


睨み合う二人ですが、徐々に近づき久美が涼子に飛びつく形で二人とももつれて倒れ、そのまま上になった久美が涼子の首に手をかけます。


涙を流しながら涼子の首を絞める久美、締められている涼子も同じように涙を流してます。そして泣きながら「久美」とつぶやきます。そのつぶやきには憎しみではなく愛情のようなものが混じった声でした。そしてとうとう涼子はがっくりと首をおろし息を引き取ります。それを見てこわばっていた表情を緩め、子供の時のような声で「姉ちゃん」と動かない涼子に向かって声をかける久美。しかし久美が受けていた傷も致命傷だったらしく、うめき声をあげてそのまま涼子の胸に顔をうずめるように倒れこみます。憎しみのとれた穏やかな表情のまま抱き合い息絶える二人。壮絶な姉妹の死闘の結末は二人とも死んでしまうという最悪な結果ですが、穏やかな顔で抱き合う二人は寄り添い合いまるで眠っているかのような印象さえ受けます。


いかがだったでしょうか?全編全裸で行われる死闘。今でこそAVでの全裸CFや海外CFメーカーの全裸CF作品を普通に見られるようになり、全裸でのファイトは珍しくなくなってますが、この時代はそんな作品はまだほとんど日本では存在せずこれを見た当時のCF嗜好を持つ方々へのインパクトは相当なものだったのではと推測されます。当時19歳(?)だった中野監督の心にベストオブキャットファイトのNo1と位置づけられるほどの衝撃を与えたのも無理はないなと勝手ながら思いました(私にとっての女闘美2に対する特別な思い入れと同じようなものかなと推測しております)

ちなみに私の個人的な感想だと、このキャットファイト自体はどうしても武器(メス)をもった殺し合いというのが好みではない為、素手だったら最高だったのに、、、という感じだったりします。ただ結城しのぶさんが全裸でキャットファイトされているというそれだけで本作の価値ははかりしれません。私は結城しのぶさんが、この作品を知るまで脱いでいることすら知りませんでした。私の印象ではドラマやサスペンス、時代劇などに多数出演されていた印象があり、きれいな女優さんという認識でした。おそらく皆さんも何らかの作品でそのお顔は見たことがあるのではないかと思います。そんな結城しのぶさんレベルの女優さんが一糸まとわぬ全裸でキャットファイトをされている作品が見れるというのは、正に映画系キャットファイトの醍醐味と言えるかもしれません。このレビューで”天使の欲望のCFってどんな感じなの?”ってもやもやしていた人が少しでも減れば幸いです。


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コメント

コメント一覧 (7件)

  • Hello,

    Thank you for posting your thoughts and pictures of the catfight. It’s looks vicious and intense. My preference is for no weapons in a catfight, but the women look gorgeous.

    I doubt we will see any naked catfights in modern cinema. I cannot imagine this scene would be filmed today.

    Regards

    • コメントありがとうございます。喜んで頂き何よりです。近年で映画での全裸ファイトは確かに期待できないですね。そういう意味では昔の作品は今の時代でも価値が十分にあると思えますね。

    • 私はかなり昔にこの映像の版権を持っている会社が動画を公開した時に入手しましたが、今はもうやってないですね。今ですとamazon以外では映像見つけられないような気がします(ネットでもこの動画は見たことはありません)。

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