新・実録おんな鑑別所 恋獄（1976年）
私はキャットファイトシーンを見ることができる確率が最も多い女因ものが実はあまり好きではありません。理由は女性が闘う理由が”喧嘩の強さ”だったり”片方が一方的に気に食わないという理由”だったりするのが今一好きではないからだったりします。闘う理由（設定でも何でもいいですが）により好き度が大きく左右されるのは完全な個人の主観であり、私が特殊部類かもしれません。でもそう思ってしまうのは私自身もどうしようもありません。（ちなみに同じ理由で実はスケ番シリーズものもそれほど好きではなかったりします）逆に”闘う理由”が私の望むものであれば女因ものでも全くかまわないということになります。さて本作なのですが、闘いをする二人の女性にきちんと男がらみの因縁があるところがなかなか個人的にはツボになります。
＜闘いに至る経緯＞
出演者：梢ひとみ（北条真弓） vs 佐原京子（佐原京子）
ではここから話をわかりやすく紹介する為に実際の映像の順番ではなく、物語上の時系列でストーリーを簡単にご紹介します。本作の主人公である梢ひとみさん演じる北条真弓が部屋で男に抱かれています。一回戦終わったところに佐原京子さん演じる佐原京子がベランダ？から乗り込んできます。ガラス戸を叩き開けるように男にいう京子。しかたなく男がドアをあけるとすぐさま京子は部屋の中に飛びこんできます。そして裸の真弓をみて逆上し、襲い掛かります。「人の男を寝とりやがって」と髪を掴みビンタをした後、ビール瓶で真弓の頭を殴ります。痛みで真弓は気絶してしまいます。真弓が気が付くと手と足をつながれてそのまま隣の部屋に放置されてました。そして聞こえるのは京子のあえぎ声。自分がこんな状況なのに、男は京子とセックスをしています。ここで真弓は愛する男と恋敵である京子がセックスするところを見せつけられるという大変な屈辱を味あわされます。
そしてここから本作品のオープニング直後の話に移ります（本編の映像ではこちらが先です）美しい刺青が映える体を揺らしながらセックスする京子と男。そこに長ドスを携えた真弓がやってきます。ドスを抜くと憎い京子に前から一撃、京子自慢の背中の刺青に一撃食らわせます。両方とも傷は浅く命に別条はないですが、大事な体に傷が残ることになり女性としては許しがたい行為だと思います。そして元凶の男の体にもしっかりとこの二股行為に対しての清算の為のドスの一撃が突き刺さります。そして男を殺してしまったことで真弓は刑務所に行くことになります（この時真弓はこの刺した二股男の子供を妊娠してました。それも襲撃の大きな要因だったのでしょう
＜刑務所内の喧嘩＞
出演者：？
場所は真弓が収容された刑務所に移ります。ここでは２つのグループが揉めて喧嘩になります。一応簡単にご紹介します。倒した女の股間を蹴ったり、足でぐりぐりしたり、ちょっとだけ胸ポロリがあるCFが行われます。
しばらくしてこの刑務所に京子が服役されてきます。真弓を見つけて喜ぶ京子。京子は真弓にドスで体を傷付けられたこと、そして愛する男を殺されたことを恨んでおり復讐したいと願ってました。真弓ももちろん京子に気が付きます。二人の脳裏にはあの日の記憶がよみがえってきておりました。
＜風呂場での全裸ファイト＞
出演者： 梢ひとみ（北条真弓） vs 佐原京子（佐原京子）
ここがキャットファイト本編になります。復讐の機会を狙っていた京子。チャンスはお風呂場でめぐってきました。京子は湯船につかりながら真弓が来るのを待ちかまえてました。そして真弓を見つけると、立ち上がり真弓に傷つけられた背中を見せつけます。そして京子は振りかえると同時に真弓に向かって飛びかかっていきます。それに対して真弓も応戦し、湯船の中で全裸の女二人が掴み合い闘います。お互いに憎むべき理由のある女同士の全裸での闘い、このシチュエーションが闘いを盛り上げます。最後は真弓が京子の顔を熱い湯気がでているところに持っていき、京子が顔に大やけどしてしまいます。その時の叫び声を聞きつけて駆けつけてきた看守に止められてこの闘いは終了します。
ラストは食堂で起こった爆発をきっかけに混乱が生じ、それに乗じて京子が真弓にちいさなナイフで襲い掛かります。しかし最後は真弓が京子の顔を切りつけ勝利を収めます。（正直そんなに見るべきところはないファイトです）
この作品はきちんと闘う女同士の間に男をめぐる因縁があるのがいいですね。京子は体に思いっきり残る傷をつけられているので真弓を恨むのは当然でしょう。しかし真弓も京子に愛する男とのセックスを動かない状態で見せつけられたり、それが原因で殺人までするくらい思いつめたのですから憎しみは相当あると想定されます。しかもお腹にできた子供も京子がいなければ男と結ばれて無事に産めたかもという気持ちもあると残っていると思います。（お腹の子は刑務所に輸送される車の中で自らお腹を殴って流産させてしまってます）こんな因縁ある二人がほんの短いシーンながらもお風呂で全裸キャットファイトをするというのが非常にポイントは高いですね。本作はファイトシーンそのものが好きというよりもこのシチュエーションが好きでピックアップさせて頂きました。
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