日本映画04 [1961年~1965年]

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黒い十人の女(1961年)

出演者:中村玉緒(四村塩) vs 宮城まり子(三岸三輪子)

TV局のプロデューサーである男は妻と愛人9人の合計10人と関係がありました。そんな女好きの男を巡り女達が争いながらも共闘するといったストーリーなのですが、その中でキャットファイトになったシーンをご紹介します。(最初のシーンにも愛人の一人(女優)が妻をビンタして掴みかかるというシーンもあるのですが画面が真っ暗で全然見えていないのでそのシーンはここでは紹介しません)闘うのは中村玉緒さん演じるコマーシャルガールの四村塩宮城まり子さん演じる台本の印刷会社社長の未亡人である三岸三輪子の二人です。食堂でわざと足を出した塩に三輪子は躓いてしまいます。幸い一緒にいた別の愛人の女の一人にもたれかかる形で転ばずにはすみましたが「あんたでしょ」と三輪子は塩に詰め寄ります。そして言い合いの後「いいですよ、しらを切るなら、ちょっと顔貸してください。裏で待ってますよ」と三輪子が塩に言い「いいわよはっきりさせてやるわ」と塩も言い返して場面が変わります。愛人の一人と一緒に待っている三輪子の元に塩が他の愛人3人と一緒にやってきます。そしてその中で嫌味の言い合いになりますが、一緒に待っていた女に三輪子は突き飛ばされて目の前の塩にぶつかります(海外の喧嘩動画でもなかなか喧嘩にならない女の子を第三者が後ろから押して相手にぶつけることで闘いがはじまるというシーンも結構見られますよね。あんな感じです)。一瞬にらみ合った後、塩はカバンを手から離して羽織っていた服を脱ぎ三輪子を蹴飛ばします。三輪子は地面に倒れ込みますが。塩を掴んで立ち上がります。そしてすかさず上着を脱いで塩に掴みかかります。「よしなさい」と言葉では言いつつ、二人の喧嘩を楽し気に見る他の愛人たち。最後は通行人がそばを通ったことにより喧嘩をやめてしまい終了となります。
ところで本作は何回かTVドラマとかにもなってますね。近年ではバカリズムさんが脚本した連続ドラマ版の黒い十人の女では成海璃子ちゃんと佐野ひなこちゃんがギャグテイストチックな路上プロレスを繰り広げております。ちなみにこちらは正直個人的な嗜好とは合わないので女闘眼で取り上げる予定はありません。最近のドラマや映画のキャットファイトシーンはそんなギャグテイストの大げさで予定調和な女同士の情念が一切感じられないようなCFが大多数を占めるようになっていると感じております。おそらく一般の人にはこのようなもののほうがウケるだろうなというのはわかりますが、やはり個人的にはきれいなアクションや殺陣、大げさな演技による絡みではなく、感情的にぶつかり合い掴み合うシーンが見たいなと思います。


少女(1961年)

出演者:笹森礼子(秋元カネ子) vs 久木登紀子(ウメ子)

田舎の実家で口べらしにより東京で働くことになった笹森礼子さん演じるカネ子は小説家になりたいと思っていたのですが弟子入りは叶わず美容院で働くことになります。しかし久木登紀子さん演じるウメ子に「カネちゃん、小説家になりたいんだってね。カネちゃんのような天才には美容師なんかよりよっぽどふさわしいわよね」と馬鹿にしたような言い方をされて笑われます。それに対してカネ子は「ウメちゃんはいったい何の恨みがあって私をそんなにしつこくいじめなきゃならないの」と怒ります。「あら、いつ私がいじめた?それに何その言い方、新米のくせに生意気よ」とウメ子も怒ってカネ子に詰め寄ります。それを受けてカネ子も「いいや、ここやめてしまうから。やめてしまえば五分五分だからね」と言い「あんたに馬鹿にされた分仕返しするわよ」と言うと、「へっ生意気言って」とウメ子はカネ子をひっぱたきます。すかさず「やったね」といってカネ子がウメ子に掴みかかり取っ組み合いになります。お互いに相手を押したりしながら床に転がって闘いますが、カネ子がウメ子の背中に馬乗り状態になってお尻を叩いたり太ももを抓ったりと優勢になります。周りの止める声も構わず、金魚鉢に入った水を見つけるとそれを手に取り、足を掴んでくるウメ子に膝蹴りを入れたところにダメ押しで水をぶちまけてこの喧嘩に決着をつけます。


ニッポン無責任時代(1962年)

出演者:中島そのみ(麻田京子) vs 団令子(まん丸)

無責任シリーズの第一弾作品。シーンとしては数秒で大したCFではないですが一応ご紹介しておきます。主人公が部長になったと聞いて、中島そのみさん演じるバー「マドリッド」のマダムである京子は、主人公の部屋に上がり込み店の資金として200万用立ててほしいと頼みます。そこに団令子さん演じる芸者のまん丸がやってきます。元々主人公と約束していたのはまん丸でこちらは車の費用100万を打診するのが目的です。お互いに相手を見るなり対抗心がでる二人。すぐに言い合いが始まります。まん丸が着物姿の京子に「あんたパンティーはいてるでしょ、着物にパンティーはくなんて野暮もいいとこよ」と言いますが、京子も「はいてないわよ」と言い返します。そして、争いを止めようとした主人公に「いいじゃないの」といい、まん丸は京子の座っている座布団を引っ張り、京子を転がします。そのまま取っ組み合いになる二人。しかしそこにもう一人の女がやってきて許嫁宣言をしてこのシーンは終わりになります。ほんの一瞬ですのでほとんど見どころないですが、一応のご紹介です。


サムライの子(1963年)

出演者:田中鈴子(田島ユミ)  vs 高橋千恵子(ミヨシ)

本作は貧困をテーマにした社会派映画です。このタイトルになっている「サムライ」というのは所謂お侍のことではなく、北海道で屑売りをして生計を立てていた人たちを表す差別用語の事みたいです。そんな部落に引っ越してきた田中鈴子ちゃん演じるユミ(小学校5,6年位?)を中心とした物語となっております。このシーンはその後友達になる高橋千恵子ちゃん演じる「ノブシ」と言われる集団にいるミヨシという女の子との喧嘩シーンとなります。「ノブシ」というのも差別用語で前科者や無気力な者たちの集団のことのようです。ユミが学校に行くときにミヨシ含むノブシの子供たちに止められます。そんな綺麗な恰好してどこに行くんだと聞くミヨシにユミは「学校さいくんだ」と答えます。「なして?」と聞くミヨシにユミは「当たり前だべさ子供が学校さ行くの」と答えます。それを聞いたミヨシは自分にとっては学校に行くというのは当たり前ではないこともあり、かっとなって「いばんでねぇ」とユミを小突きます。そして二入はノブシは泥棒だとか屑売りも同じようなものだと言い合いになり、ミヨシはユミを思いっきり突き飛ばし、ユミは地面に倒れます。しかしユミはすぐに立ち上がりカバンを放り投げるとミヨシを睨みます。「やる気か」というミヨシに向かってユミは掴みかかり取っ組み合いになります。手4つで押し合った後ユミはミヨシを押し倒して馬乗りになります。周りの子供たちはやれやれとはやし立ててます。しかしユミもすぐに立ち上がり学校に行くために立ち去ろうとしてこの闘いは終わりとなります。子供の喧嘩ですので取り立ててみる意味もないとは思いますが、一応情報としてご紹介しておきます。


三匹の侍(1964年)「五社英雄映画CF1」

出演者:香山美子(おやす) vs 三原葉子(おまき) 

五社英雄監督の映画監督作品第一弾にあたる本作は、私が知る限り”劇場公開された日本映画史上最も多くのキャットファイトを世に送り出していると思われる五社英雄監督”の記念すべき最初のキャットファイトシーンが含まれた作品となると思います。この「三匹の侍」は時代劇のTVドラマのほうが一般的だと思いますが、映画化されており、それが本作にあたります。
五社監督作品の初のキャットファイトシーンということで期待が高まってしまいますが、残念ながら片方が縄で縛られた状態でのハンディマッチとなっております。闘うのは香山美子さん演じる百姓の娘のおやす三原葉子さん演じる百姓の娘を売ることを商売としているおまきです。非難するおやすを蹴るおまきですが、おやすは「ちくしょう」と後ろ手で縛られた状態ながらも立ち上がりおまきに体ごとぶつかっていきます。すぐにおまきはおやすの髪をつかんで引き倒して上から殴ります。そして暴れるおやすに馬乗りになり髪を掴んで床に頭を何度か叩きつけます。やられるおやすですが何とか体を起こしておまきを倒して噛みついて反撃します。髪を掴んで噛みついているおやすを引き倒し、かんざしで刺そうとしたところを男に止められてこの闘いは終了となります。結構真剣味を感じられるシーンなのですが、片方が縛られているということがやはり色々な面でマイナスに働いており残念な感じでした。ただハンディのない闘いであったならば髪の毛を掴んだり激しく転げまわるなどなかなか見ごたえの闘いになったのではということは感じさせる感じではありました。三原葉子さんは他作品でもCFをされておりますが多くのCFを演じられている女優さんです。


ひも(1965年)夜の青春シリーズ1作目

出演者:緑魔子(河本静江)  vs ロミ・山田(的場トミ子)

梅宮辰夫さんが自分の利益の為に女を騙すことは何でもないという絵にかいたようなクズ男を演じる夜の青春シリーズ。この夜の青春シリーズは全8作あり、その中でキャットファイトがある作品がなんと5作もあるというキャットファイト好きには嬉しいシリーズになっております。この5作については女闘眼で全て紹介していきます。
まずはその中の第一弾「ひも」から紹介していきます。梅宮辰夫さん演じる浩とロミ・山田さん演じる雇われママのトミ子に騙されてバーのホステスとなった緑魔子さん演じる家出娘の静江。静江は一生懸命働き浩との結婚を夢見ていましたが、浩は静江を出世の道具位にしか思ってませんでした。ある時店の姉さん(先輩ホステス)に自分が騙されていたということを教えられた静江がトミ子の家を聞いてそこに行くと、部屋の中には浩が布団で寝てました。浩は上半身裸で、昨日トミ子とやったんだなという恰好です。静江は浩を問い詰めますが「騙されたお前が馬鹿で、騙した俺が利口なんだ」と逆切れされて、それで静江は怒って浩に詰め寄るも投げ飛ばされてしまいます。倒れ込んだ静江が顔を上げるとそこにはトミ子が立ってました。思わずトミ子に飛び掛かる静江ですが、トミ子はビンタで迎え撃ちます。ビンタをされてもひるまずにトミ子の髪の毛を掴み攻撃する静江ですが、すぐに浩に後ろから髪を掴まれて引きはがされてしまいます。本作のCFは残念ながらほんの数秒というものでした。


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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 〉TACさん
    ホントどれも凄過ぎです・・・
    自分も結構知ってる方と自負?してたwんですが、知らない作品のほうが多いっす
    足元にも及ばないっす!っうか爪の垢飲ませて下さいw

    • ありがとうございます。TENさんレベルの方にそう言って頂けると女闘眼をリニューアルオープンさせた甲斐があったなと思います(笑)

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