日本映画03 [1960年~1961年]

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東京の暴れん坊(1960年)

出演者:中原早苗(リラ子) vs 堺美紀子(俱梨伽羅紋々の女房) 

銭湯の脱衣所で中原早苗さん演じるリラ子が、堺美紀子さん演じる倶梨伽羅紋々の入れ墨をした女にぶつかります。「気を付けてよ」と怒る女に「あらごめんなさい」と軽く謝るリラ子。リラ子は主人公が湯舟で歌う声にいい声ねと入れ墨女に同意を求めますが女は「あんな親不孝声」と否定します。「あら時代遅れね」と言ってリラ子は男の脱衣所へのドアをあけて、主人公に向かって「もう一曲やってよ」と声をかけます。そして女の脱衣所に戻ってきますがその時に入れ墨女の桶を蹴飛ばしてしまいます。「何すんだよ」と入れ墨女はリラ子にビンタします。すかさずリラ子も「やったわね」とお返しのビンタを返します。入れ墨女は肩を出して自慢の入れ墨をリラ子に見せるもリラ子は全くひるみません。そしてまた一回ずつ殴り合った後に掴み合いになります(ビンタは全て当たっていない感じです)髪を掴んだりして闘う二人。番台の女の子が体を洗っている主人公の元に行き喧嘩を止めるように言うと仕方ないなとタオル一枚の姿で喧嘩を止めに入ります。しかし喧嘩をやめない二人。怒った主人公がやめろと大声で言うとその拍子にタオルがはらりと落ちてしまい、みんなが主人公の股間を凝視してそこで喧嘩が終了になるという感じでした。昔から銭湯(風呂場)と言えばキャットファイトですね。ちなみに中原早苗さんはザ・ガードマンでもいい感じのファイトを見せてくれた女優さんです。


赤坂の姉妹 夜の肌(1960年)

出演者:淡島千景(鳴海夏生) vs 新珠三千代(鳴海秋江)

淡島千景さん演じる長女の夏生新珠三千代さん演じる次女の秋江の喧嘩です。この前に夏生のお店で働いている秋江がお客様のお金が入ったカバンを別のお客に渡すというミスをして、反省が足りない秋江は夏生にビンタされてます。そして家に帰ってから秋江をかばった客のことがきっかけで言い合いになります。そして「姉ちゃんのように男を食い物にして生きていくなんてできない」と言った秋江に怒った夏生がお菓子?を秋江に投げつけて、それに反撃して秋江が夏生に棚の上の書類を投げつけて喧嘩が始まります。そして秋江の言った言葉に「恩知らず」といって夏生が秋江を殴って掴みかかります。揉み合いになる二人、ものを投げたり座布団で殴ったりして闘いますが、秋江は逃げ腰で闘っていますし、姉妹同士のじゃれ合いといった感じで物を投げ合うシーンが多いこともあり、キャットファイト的には正直見ごたえはありませんでした。最後は更に闘おうと二人が動き出した瞬間に来客が来てこの喧嘩は終わりとなります。
本作については色々な方の映画のレビューで”比較的長いキャットファイト”とか”凄いキャットファイトがある”というようなことが書かれていたのですが、やはり一般の人の言う凄いキャットファイトと、私が考える凄いキャットファイトとは大きく違うなということを感じました。一応本作について気になっている方も結構いるかと思いましたのでご紹介しました。


怪談海女幽霊(1960年)

出演者:海女達の乱闘

海女たちがなにやら大乱闘状態です。7,8人の海女たちが砂浜のあちこちで取っ組み合い、掴み合いを繰り広げております。みんな少し太めな感じですが、白黒とはいえ、足に濡れた砂がついてたり、下にはいている服がお尻に食い込んでいたりでなかなかのセクシーさを感じます。しばらく闘いが続きますが、最後は近くにいたおやじが走って止めにきて乱闘は終了。
おやじがこの乱闘の原因を聞いてみると「海の底に何か(幽霊)がいると言って海に潜るのが嫌だという海女グループ」と「それを紀州女の面汚しで意気地なしとけなすグループ」の喧嘩ということがわかりました。このような乱闘シーンはちょくちょく見つかることがありますが、個人的にはじっくりひと組に絞って見てみたいなと思ってしまいます。


女奴隷船(1960年)

出演者:三原葉子(クイーン) vs 左京路子(お豊)他  

この話は二転三転しているので説明は難しいですが、三原葉子さん演じる女奴隷船のクイーンは、女奴隷を運んでいる最中に海賊に襲われて、女奴隷共々海賊に捉えらえてしまいます。しかしクイーンは持ち前の狡猾さで海賊船のお頭に取り入り海賊側につきます。しかしこのクイーンは海賊に襲われる前に奴隷船が助けた男に惚れていて、その男と共に脱走を図りますが、捉えられてしまいます。そして女奴隷達が捉えられている場所に入れられます。元々クイーンに恨みがある女達はクイーンを責め立てる言葉を並べますが、気の強いクイーンは「おだまり」と一人でも負けてません。そして「あんた達とは生まれが違うんだ」と他の女どもを蔑みます。そして「あんたたちみたいな淫売と一緒にされてたまるか」という一言で女たちを完全に怒らせます。そしてその中の一人がクイーンへビンタします。そして、よろけたクイーンは女たちに突き飛ばされ最後にまたビンタされます。そしてまた突き飛ばされますが、「やったな」と反撃を開始して1対多の闘いが始まります。次々につかみかかってくる女達を振りほどきビンタで応戦するクイーン。シャツがはだけてとってもセクシーです。スカートがめくれて見える黒のパンティーや太もももとても色っぽくていいです。左京路子さん演じるお豊とのシーンが比較的長かったのですが、これがずっと1対1の闘いだったらもっとよかったのにという感じでした。


女獣 (1960年)

出演者:青木エミ(エミ)  vs ?(

場所は女子少年院。突然青木エミさん演じる女因エミと、別の女因の喧嘩のシーンが始まります。周りに他の女因達が取り囲んでその二人の闘いをはやし立てます。途中別の女因がその闘いに割って入り、更に別の女因がその割って入った女を引き離して喧嘩になりますが、基本的に一対一ベースの闘いになっております。セクシーさにはかけますがなかなか激しい闘いです。周りの女も闘いを止めないどころか、やめることを許さない感じです。女因ものは国内外問わずキャットファイトシーンを最も見つけることができるといっても過言ではないですね。


女は二度生まれる(1961年)

出演者:若尾文子(小えん) vs 倉田マユミ(吟子)

若尾文子さん演じる小えんが世話になった旦那が亡くなって喪服姿で故人を偲んでお酒を飲んでいると、そこに同室で寝起きしている倉田マユミさん演じる吟子がやってきます。こちらも足元がフラフラで酔っております。そして小えんに向かって「寝るところでお線香なんかたくな、ここはあんた一人だけの部屋じゃない」と文句をつけます。「一緒に泣いてくれてもいいじゃないか」という小えんに対して「お通夜の押し売りなんてまっぴらだよ」という吟子。それに怒った小えんは「あんたなんて泣いてお線香をあげるような深い男はいないだろう」と言いますが、吟子は「あたくしには棺桶に片足突っ込んだ相手はいないのさ」と言い返します。それに怒った小えんが吟子に掴みかかってビンタします。吟子は「よくもぶったわね」と立ち上がると小えんを蹴り掴み合いになります。別の女が止めに入りますが、そのまま二人は別の部屋に移り、喧嘩は声だけでカメラは元の部屋のままという演出がされそのまま終了となります。正直見ごたえはないですが、一応ご紹介です。
本作は川島雄三監督作品です。先に「幕末太陽傳」「赤坂の姉妹 夜の肌」も紹介しておりますがそれ以外でも「接吻泥棒」にもキャットファイトシーンがあるみたいです(こちらは未視聴です)ただここまでの三作から私の好みとは違うかなと思うので「赤坂の姉妹 夜の肌」のようにDVD購入してまで確認したりはしないと思います。


早射ち野郎(1961年)

出演者:星ナオミ?(盗られた女) vs 南田洋子(踊り子・ジェーン)

突然キャーという声と共に、店の中から前の通りに星ナオミさん?(正直合っているかわかりません。もしも女優さんが誰かわかる方いたら教えてください)演じる男を盗られた女が道に倒れ込みます。続けてその女に掴みかかる南田洋子さん演じる踊り子のジェーン。どうやら男(客)を盗ったことによる女同士の喧嘩のようです。みんなが周りで楽し気に眺める中、掴み合う女二人。「よくも人の男を盗りやがったな」と盗られた女はジェーンに馬乗りになって押さえつけます。そこに主人公のエースのジョーがやってきて喧嘩を止めてこの喧嘩は終わってしまいます。
ところでこの映画馬にのってカウボーイハットをかぶって銃を持っているというどこの異世界日本のお話だよという感じではありますが、ウエスタンの空気がよく出ていていい感じです。そして西部劇には女同士の取っ組み合いというのは昔からのお約束です。もっとも有名なのは1939年の「Destry Rides Again(邦題:砂塵)」ですが他にも数えきれないほど西部劇映画には女同士の取っ組み合いの喧嘩というのは見つけることができます。そんなお約束をきちんと守って、この作品にも取り入れてくれた制作陣には感謝の気持ちでいっぱいです。そして南田洋子さんのキャットファイトと言えば「幕末太陽傳」が最も有名ですが、本作やこの後に紹介する「ノサップの銃」でも中々見ごたえのある闘いを見せてくれております。


海の勝負師(1961年)

出演者:笹森礼子(マキ) vs 中原早苗(京子)

笹森礼子さん演じるマキは、主人公の潜水夫ジョーの仲間だった男の妹です。実はジョーはこの仲間だった男に闘いを挑まれてその時にその男が死んでしまい、周りから仲間(闘いを挑んできた男)を見捨てたということで卑怯者と思われていました。そしてジョーが大島に依頼を受けてやってきたときに会った男の子とその姉であるマキに納屋に泊めてもらえることになりました。そこで、この姉弟がジョーの仲間だった男の妹と弟で、男が死んだために苦しい生活をしていることを知ってしまいます。そこで財布を置いて出ていくのですが、マキはそれをジョーに返しに来ます。ジョーは「俺んじゃねえ」と立ち去りますが、その場に居合わせたジョーに惚れていて東京のキャバレーから大島まで追っかけてきた中原早苗さん演じる京子が嫉妬による怒りでマキの手から財布を奪い取ります。そして「やるかい」と完全に戦闘モードになっている京子はマキを睨みつけます。この財布はどうしたんだという京子に対して「くれただ」とマキも言い返します。それを聞いて「嘘つけ、盗んだんだろ」という京子に対してマキは怒りのビンタを食らわせます。ビンタされた京子は「やったねー」といいお返しのビンタを返した後にマキに掴みかかります。マキも負けじと押し返して掴み合いになります。すぐにマキが京子を押し倒して、これからというところでシーンが代わりこの闘いは終わってしまいます。せめてもうちょっと引っ張ってほしかったなと思ってしまいますね。


ノサップの銃(1961年)

出演者:南田洋子(君塚はる) vs 笠森礼子(仙田ユキ)

南田洋子さん演じるはるが飲んでいるところに、主人公のガンを探して笠森礼子さん演じるユキがやってきます。色々あって二人共ガンに惚れている感じです(このシーンの前にも浜辺でユキがガンと話しているところに嫉妬したはるが猟銃を持ち出して少しだけ揉み合うシーンがありました)他にも細かくは書きませんが漁場の争いをしている関係とかではるはユキを敵視しております。「あっちの男、こっちの男、色目使って、、」と捲し立てるはるに向かって、ユキはビンタで返します。にらみ合いの後、「ちくしょー」とはるがユキに掴みかかり取っ組み合いになります。止めようとする男を突き飛ばしてはるは往復ビンタでユキを攻撃して、お返しにユキははるの髪の毛を掴みます。そこに男がまた間に入り、姉妹(きょうだい)喧嘩はやめろと言い、その言葉に驚いた二人は喧嘩をやめます。実ははるはユキの姉だったのですが、はるを生んだときに父親はどん底で育てられないということで手放してという過去が明らかになります。まあそれは置いておいて時間は短いですがこのようにCFシーンを見つけられるのは嬉しい限りです。


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